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超弩級IPO 29日香港マーケット 
 AIA上場で生保株相場に地殻変動


日本を含めアジア市場を主な投資対象とする投資家の視線は、今週末29日の香港市場上場を控えたAIA(アメリカン・インターナショナル・アシュアランス)に向けられている様子。経営再建中の米保険大手・AIGのアジア生保部門子会社だ。26日に発表された売り出し価格は、仮条件上限の19・68香港ドル(約206円)。資金調達規模は、追加売り出し分を含めずに日本円換算で1兆4500億円規模に達し、香港市場では2006年の中国工商銀行を上回る過去最大のIPO(新規上場)案件。関係者の間では、早くも「非公式取引で公開価格の9・2%高の売買成立」といった声も上がっている。      ⇒ にほんブログ村・IPOへ

株価低迷・第一生命に意外な刺激材料 日中韓IPOそろい踏み
AIAの親会社、AIGが実質国有化されてから約2年。AIA自体も、いったん英保険大手・プルーデンシャルへの売却が発表された後、結局、当初の上場計画に戻るといった数奇な運命をたどってきたが、ようやく決着がついた格好。            (・・・・つづく)

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もっとも、市場では、単なる「経営再建企業の出口戦略」にとどまらない相当の好人気を博しているようだ。米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏やクウェート投資庁などの出資が取りざたされたこともあって、売り出し株への個人投資家の応募殺到なども話題を呼んでいる。

もちろん、短期投機指向の資金が主体とはいえ、そもそも「まだ社会保障の充実していないアジアは、これから年金積立などが本格化していくタイミングにある。生保ビジネスにとっても黎明(れいめい)期で、今後の成長余力が大きい」(大和証券キャピタル・マーケッツ・土屋貴裕シニアストラテジスト)という背景は、大きな魅力といえよう。


思えば、約半年前の4月1日。東京市場においても、第一生命保険(8750)が新規上場され、「初の大手生保上場」として、当初、大きな話題を集めたものだった(一方、韓国市場でもサムスン生命が5月12日新規上場)。第一生命の株式売り出しによる市場からの資金吸収額は1兆円弱。今回のAIAにおおむね匹敵する水準だったが、売り出し価格14万円から一時16万8800円まで買われたものの、直近で10万円割れを強いられている。

結局、黎明・アジアと成熟・日本、年初来高値圏で強調をたどる香港ハンセン指数と、昨年末水準から1割以上の下ザヤに置かれた日経平均の「勢いの差」を反映したもの、と言ってしまえばそれまでだが…。

さて、それでは、AIA新規上場が東京市場にも何らかの影響を及ぼすことがあり得るのか?     ⇒ ブログ村 PO・公募増資株へ

「にぎわいぶりにはうらやましくもあるが、基本的に『別世界の話』。少々過熱気味の個人の反応などは、現地の株式市場の未成熟さを示すものでもある」(みずほ証券・瀬川剛エクイティストラテジスト)と、冷静に見る向きが多い。

また、中には、このところ低迷の続く日本の金融株の背景に、「AIA購入に向けた外国人の換金売りが出ているのではないか」といったネガティブな反応を懸念する向きもあった。

確かに、収益増額修正の相次ぐ地銀株が逆に安値更新ラッシュとなり、メガバンクも大手経済紙の増額観測報道に全く反応していない。もちろん、同じ保険セクターで、第一生命やT&DHD(8795)あたりも、夏場に付けた安値を試すかのような底値模索展開をたどっている。

ただし、株式需給分析に詳しい土屋氏によると、「銀行株への影響はほとんどない。最近の軟調は持ち合い解消売りの影響だろう。保険株についても、換金売りなどの影響はゼロではないが、軽微にとどまるのではないか」とのこと。

とはいえ、全くの「別世界」かと言うと、必ずしもそうでもないらしい。「今や、日本株だけに投資している外国人は少なく、『アジア株の中の1つ』という位置付けで取引している。仮にAIAのIPO人気が過熱して、ポートフォリオ内のウエートが必要以上に高まった場合には、他国の同一セクター企業へのシフトもあり得る。また、同一業種の割安株として、出遅れた日本株がバリュエーション面から見直されても不思議はない」(土屋氏)とか。

あくまでも、実際に上場してみないと分からないが、AIAの人気次第では、日本の同業大手にも“おこぼれ”が生じる可能性がある、というわけ。少し情けなくもあるが、保険株を評価する世界共通の指標(エンベディットバリュー)などから「超割安」のお墨付きを得ているのが、日本の生保株だ。

第一生命は、ここ1カ月の間にメリルリンチ日本証券が17万円目標で買い推奨。モルガン・スタンレーMUFG証券は中立に引き下げたとはいえ、目標株価は13万円。一方、現在1600円台前半のT&DHDについては、メリルリンチ日本、マッコーリー、シティグループ、モルガン・スタンレーの外資系証券各社が、いずれも2000円台の目標株価を掲げている。

いわば、きっかけ次第で見直される素地を備えてきたが、AIA上場人気が、その「きっかけ」になる可能性もありそう。なお、第一生命の4―9月決算発表は11月12日、T&DHDは11月18日。少し先になるが、第一生命の場合、来春に予定される日経平均臨時入れ替えにおける新規採用最右翼と目されていることも、手掛かり材料の1つに挙げられよう。(A)
【日本証券新聞】


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