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SEMITECは公募価額比2.8倍 新規上場後に好パフォーマンス増加 機関投資家は割安銘柄を積極買い 【 日本証券新聞 2011/07/12 】
直近ＩＰＯ（新規上場）銘柄からセカンダリー（上場後）人気を集めるものがいくつか飛び出してきている。東証1・2部銘柄では、カルビー（2229）、島根銀行（7150・2部）、日本ドライケミカル（1909・2部）など。新興銘柄では、ＳＥＭＩＴＥＣ（6626・ＪＱ）、ディジタルメディアプロフェッショナル（ＤＭＰ、3652・東マ）がともに連日の高値に進み、「台風の目」になっている。中で目下、一番人気のＳＥＭＩＴＥＣは、6月29日の上場から7月11日までの9営業日で早くも公開価格比2・8倍に水準を切り上げる人気ぶり。これら先導役登場でＩＰＯ銘柄のセカンダリーマーケットが温まってくる中、上場以降鳴かず飛ばずの展開が続いていたＩＲジャパン（6051・ＪＱ）もここ相場付きを一変させ巻き返し態勢、駅探（3646・東マ）も7日発表の株式分割および増配を手掛かりに連日のストップ高に弾むなど、見直しの輪が除々に広がってきている。
直近ＩＰＯ人気は、4―6月期決算発表を控え既存銘柄を手掛けにくい時期に入り、直近ＩＰＯ銘柄ならではのシコリのなさ、値動きの軽さに関心が向いていることが大きいものの、それだけではないようだ。ここでは2011年上期（1―6月）のＩＰＯ実態を踏まえ投資戦略を考えてみたい。 （中略）
【穏当発進続出の理由】 ⇒ にほんブログ村･IPOへ11年上期のＩＰＯ13銘柄の初値騰落は6勝6敗1分、公開価格から初値までの騰落率は△8％にとどまる。近年まれに見る穏当発進続出イヤーとなっている背景について、ＩＰＯマーケット関係者は「ＩＰＯ投資のムーブメントはライブドアショックを境に低下傾向にあるが、昨夏以降はさらに低下した。初値で割高感のある水準にオーバーシュートした銘柄はセカンダリーで買いが続かないケースが相次ぎ、深追いを避けるようになってきた」と解説する。
ＦＸならマネックス証券 【セカンダリーで買われる銘柄の特徴】さはさりながら穏健発進銘柄のすべてがセカンダリーで買われているわけではない。セカンダリーで買われているのは、高成長銘柄のほか、一見、地味でも「ＰＥＲ、ＰＢＲ（株価純資産倍率）など株価指標面で割安」「配当利回りが高い」といったセールスポイントを持つ銘柄もセカンダリー人気を集めるようになってきている・・・・・
指標面での割安感は機関投資家が重視する大きなポイント。実際、セカンダリーで上昇している銘柄の多くに機関投資家の買い出動が観測されている。例えば、昨年12月ＩＰＯの大塚ＨＤ（4578）、ポーラ・オルビスＨＤ（4927）なども機関投資家のセカンダリー買いが上昇の原動力になったようだ。
市場関係者からは「下がったところで下値で買いを入れてくるのが機関投資家。昨年もＩＰＯマーケットは活況ではなかったが、中小型株運用のファンドマネジャーからは『予想以上に安い株価で仕込むことができ、ファンドパフォーマンスが上がった』との声を聞いた。今年も割安銘柄に買いを入れているようだ」としている。
【機関投資家は2部ＩＰＯ銘柄もお好き】 
東証2部のＩＰＯ銘柄も侮れない。2部銘柄は「地味」の一語で片付けられＩＰＯの前人気は総じて低調、故に穏当発進しやすく、割安に置かれがちだが、この手のタイプは機関投資家の大好物。新興市場に上場する企業より事業安心感がある上、「1部指定」という株価上昇の起爆剤も抱えるためとみられる。
東証2部では、島根銀行（7150・2部）は前評判は低く、手掛かりは高配当利回りのみと言われていたが、3月末の配当権利落ち後も頑強展開。高配当利回りの日本ドライケミカルも含めてこれらも機関投資家買いが上昇の原動力とされる。
【年後半のＩＰＯ展望――野村証券公開引受部・大村氏に聞く】
11年下期（7―12月）のＩＰＯはどうか。野村証券の公開引受部次長・東京エリアヘッドの大村法生氏は、「明るい未来に期待が持てる状況」という。大村氏は、「ＩＰＯセンチメントは全体相場にも左右される。その全体相場について上期より下期の上昇期待感が一時期よりも強まっている。震災があったもののＩＰＯ準備を進めている企業も多い。ＩＰＯ社数は上期13社に対し、下期はそれを上回り、年間合計で30社程度を想定している。日経平均との兼ね合いでいえば、クラッシュせず1万円近辺あれば30社、日経平均がさらに上昇すればもう少し増える可能性もあろう」。
また、「ＩＰＯには大型企業、小型企業それぞれに意味がある」と語る大村氏に新興市場のＩＰＯについて尋ねたところ、「技術系ベンチャーにも成長期待が持てる企業、世界に打って出られる力を持つ企業が多い。1つ1つはまだ小粒でもこうした企業がある程度立て続けにＩＰＯすれば、『ベンチャー復活』『日本経済もまだ捨てたものではない』という雰囲気も醸成されよう。当社としても技術系ベンチャーにも着目し、新しいスター銘柄の発掘、ＩＰＯ促進に力を入れていく」としている。
さて、明るい兆しも見えてきたＩＰＯマーケット。ＩＰＯ前評判はあくまでも初値人気予想であり、セカンダリー人気とは必ずしもリンクするわけではないことも念頭に置き、セカンダリー戦略を練りたい。（Ｑ）
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東証2部では、島根銀行（7150・2部）は前評判は低く、手掛かりは高配当利回りのみと言われていたが、3月末の配当権利落ち後も頑強展開。高配当利回りの日本ドライケミカルも含めてこれらも機関投資家買いが上昇の原動力とされる。
【年後半のＩＰＯ展望――野村証券公開引受部・大村氏に聞く】11年下期（7―12月）のＩＰＯはどうか。野村証券の公開引受部次長・東京エリアヘッドの大村法生氏は、「明るい未来に期待が持てる状況」という。大村氏は、「ＩＰＯセンチメントは全体相場にも左右される。その全体相場について上期より下期の上昇期待感が一時期よりも強まっている。震災があったもののＩＰＯ準備を進めている企業も多い。ＩＰＯ社数は上期13社に対し、下期はそれを上回り、年間合計で30社程度を想定している。日経平均との兼ね合いでいえば、クラッシュせず1万円近辺あれば30社、日経平均がさらに上昇すればもう少し増える可能性もあろう」。
また、「ＩＰＯには大型企業、小型企業それぞれに意味がある」と語る大村氏に新興市場のＩＰＯについて尋ねたところ、「技術系ベンチャーにも成長期待が持てる企業、世界に打って出られる力を持つ企業が多い。1つ1つはまだ小粒でもこうした企業がある程度立て続けにＩＰＯすれば、『ベンチャー復活』『日本経済もまだ捨てたものではない』という雰囲気も醸成されよう。当社としても技術系ベンチャーにも着目し、新しいスター銘柄の発掘、ＩＰＯ促進に力を入れていく」としている。
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